長い目で見て欲しいGLP-1ダイエット　改めてリバウンドについて考える

以前に身体には「セットポイント（固定体重）」の機能が備わっていて、長期間維持している体重に戻ろうとすることをお話しましました。

短期間の食事制限で急激に体重を落としても、このセットポイントの機能によりあっという間に体重が戻ってしまうのです。

また、急激に体重を落とした場合、ダイエット前よりも太ってしまうことがしばしばあります。

これは、

①食事制限によってエネルギー不足になると、体内の蓄積エネルギー（グリコーゲンや体脂肪、筋肉中のアミノ酸）が分解されて活動エネルギーが作られる。

②特に食事制限の初めは筋肉の分解によるエネルギー産生がメインで、筋肉組織が減少するので体重は減る。

③しかし、筋肉が減ることで消費エネルギーが低下することで身体が「省エネ」モードになってしまう。

④脳内の摂食中枢は失われた栄養素を取り戻すように食欲が活発になる。

⑤食欲は活発になっているのに「省エネ」モードのためエネルギーが消費できずに体脂肪が蓄積する。

⑥比重が重い筋肉が減って比重の軽い体脂肪に置き換わるので容量（体積）が増える。

⑦太って見える。

というメカニズムです。

季節、気温の変化とともに基礎代謝が増減したり、運動したりしなかったり、食事量も変化しますが、ほとんどの場合体重は一定に保たれています。

これはセットポイントによるおかげですが、リバウンドも「セットポイント」のせいで起こってしまいます。

ダイエットは「減量後の体重を維持してセットポイントを移行するまでがダイエット」だということを忘れてはなりません。

仕事前にジムによって小一時間トレーニング、食事は玄米を中心として30品目摂取できる和定食で、仕事帰りは趣味のテニスで仲間たちと爽やかに汗を流して、お酒は飲まずに毎晩22時には就寝して明日に備える。

なんてなかなか出来るものではありません。

実際は、

あと1分寝たら遅刻するギリギリまで寝坊して、コーラ片手にカップラーメン、仕事が終わったら唐揚げをお供にビールを流し込み、３次会まで行って明日は二日酔い。

みたいな生活（を送っていたこともありました）。

いきなり全てを理想通りにすることなんて出来ません。

一歩一歩、そして続けられることをコツコツ積み重ねることで自ずと結果は出てきます。

GLP-1ダイエットは誰でも続けられる初めの一歩になります。

プライベートクリニック高田馬場/新橋

代表医師　鏡原裕一

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